冬の雷

会社で仕事をしていたら、
雨が激しく降っていた。
雷まで鳴っているし。
 
帰りは濡れるかなと思ったが、
会社を出ると、
すでに上がっていた。
 
電車に乗ったら、
向かいの席のお婆さんが、
「雨は上がったのですか」
と聞いてきた。
 
「ええ」と答えたら、
「あんなに降っていたのに」と。
 
「まるで人間の気性のようですね」と言われたので、
「そうですね」と微笑んだ。
 
何気ない会話だったが、
印象に残った。
 
お婆さんの長い経験から発せられた言葉だからだろうか。
 
作者が言ったら、
「気性」と「気象」をかけただけの、
という浅いセリフになってしまう。