台風が来るって話だ。
雨は降っていないが、
外は不穏な感じだ。
嵐の前の静けさか。
夕方になって、
空が真っ赤に染まった。
村の長老が、
「不吉なことが起こる前触れじゃー」って、
騒ぎ出しそうなくらい赤い。
世界の終わり。
そんな言葉が頭をよぎる。
まだ冷蔵庫のスイカを全部食っていないのに、
世界に終わってもらっては困る。
世界は終わるかもしれないが、
仕事が終わらない。
結局バスがなくなるので、
明日に持ち越しになってしまった。
ショップ99の店先が、
がらんとしていた。
台風が来るので、
片付けたのだろう。
結局家に帰るまで、
雨はほとんど降らなかった。
もう台風は行ってしまったのだろうか。
窓開けたまま寝て、
朝起きたら部屋が水浸し、
なんてことは避けたい。