長い夜

*基本的にここに書くことは日付の日のことなのですが、
今日は7月22日夜から23日朝にかけてのことを書きます。
 
ビール1杯と焼酎3杯飲んでいい感じに酔っていた。
帰りの電車はそこそこ混んでいたが、
空いてる席を見つけて座らせてもらった。
そして深い眠りについた。
 
お客さん終点ですよという、
車掌さんが他の乗客を起こしている声で、
目が覚めた。
なんかテレビとかで見たことがある、
べたなシーンだなあと思ったが、
冷静に考えると自分が窮地に陥っている。
12時を回ってもう帰る電車は無い。
 
改札で精算してもらおうと思ったら、
寝過ごしならいいですと通してもらえた。
ラッキー。
って喜んでいる場合ではない。
ここは家からかなり離れた場所だ。
(後で地図で計測したら直線距離で15キロだった)
 
ここで普通に考えると、
タクシーに乗るとか、
宿を取るとかあるのだろうが、
歩くことにした。
まあ朝までつくだろう。
道もよく分からないが。
 
とりあえず電車の線路沿いに行くことにした。
(後で分かったのだがこれで遠回りすることになった)
酔いは一眠りしたのでいくらか醒めたが、
それでも体はだるい。
 
いくらか歩くと、
線路が山の中に入って行き、
もうフォローできない。
かばんの中の地図を見て帰りの道のめどをつける。
しばらくは歌を歌いながらとぼとぼ歩いたが、
だんだんその元気もなくなった。
最悪どこかで野宿しようかと思ったが、
とりあえず歩けるだけ歩くことにする。
だんだん心細くなってくる。
たまに見るコンビニが心の支えになる。
 
市街地からはずれて山の中に入る。
地図を見ると地球博の会場のほうが家より近い。
今行って入場口で寝てようかと本気で思ったが、
やはりつらいので帰ることにする。
しかし地図を見るとこの先に峠があるらしい。
 
峠に差し掛かったのが3時ごろか。
幸い高い山ではなかったので、
上り下りは楽だったが、
暗い森の中からガサガサと音がする。
何がいるんだ。
 
山を抜けて町に出る。
空が明るくなってくる。
長い夜が終わりに近づく。
家は近い。
と思ったがそれから1時間ぐらい歩いて、
家に着いたが5時半だった。
 
家の100メートルぐらい手前で雨が降ってきた。
途中で降らなくてよかった。
道さえ繋がっていれば、
何処にでもいけると思った。